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中小企業とWebの関わり

大手ほど資本もないし、うちみたいな中小企業や町工場ではWebを活用するのは無理だ、というのは早計です。費用をかければそれこそ青天井ともいえる世界ですが、身の丈にあった使い方、費用の足りない部分は知恵や努力でカバーできる世界で、そこが醍醐味でもあります。

Web担当者の仕事というのは社内でもよく知られていなかったり、特に中小企業の場合は、仕事の内容そのものがエスタブリッシュされておらず、仕事を作ることからはじめるケースもあります。

筆者は工業系の生産資材のメーカーに勤務していますが、Web担当は代々一人しかおらず、経営層から明確な指示がおりてくることはめったにありません。仕事は自分でつくり、自分で結果を出していかねばなりませんが、誰にきけるでもなく、どのようにして情報収集を行うか、どうやって知識を得るかを模索しながらの仕事です。

ともすれば上司すら仕事内容を理解しておらず、周囲からも「あいつ、パソコンの前でホームページ見て遊んでるぞ?」「査定しようがない。一体毎日どんな業務をやらせているんだ?」「Webの担当?楽でいいなぁ」といった偏見にさらされることも少なくありません。

インターネットの利用率の上昇と共に、業界によっては上記のような話は少なくなってきているのでしょうが、古くからある業界で、一般に馴染みのない工業製品ほど、こうした世の中の動きとは10年、20年遅れているのかもしれません。

さて、こうした環境でWebが無力かといえば、全くそんなことはありません。今日日は企業規模が小さくとも、大手顔負けのweb活用をしている工業製品のメーカーや町工場も増えてきています。

手前味噌になりますが、筆者がWebの力を実感することになったのは営業時代にWebサイトが縁で出会った顧客の存在です。

当時筆者は営業職として、新規開拓に注力しつつも、売上低迷にもがいていました。工業系の生産資材のため、製品を使うことが出来る会社の数はある程度限られてきますが、自社製品が特定の業界に特化しすぎており、隣接分野はおろか、異業種への供給ができていない状況でした。

飛び込み営業やテレアポに明け暮れる日々でしたが、成果は思わしくなく、徒労感に苛まれる日々。

かといって、販促策などを提案しても取り合ってもらえず、気合と根性が足りんと一喝される始末。展示会も1回出すとテーブルだけの最小のブースでも20万〜50万はかかってしまい、「対費用効果は?」と追求されると、量産採用に時間のかかる生産財のため短期間では赤字で、それが許される環境にはありませんでした。

そこで日々の営業活動が終わってから、少しずつ自分の営業用のサイトを作り始めました。社内規定のある会社ならばこうしたことは御法度でしょうが、当社にはこうしたルールはなく、そもそもウェブサイトで情報発信をするという考え方はありませんでした。

Webサイトにはできること、できないことがあり、決して万能ではありませんが、上記のような使い方のほか、様々な目的を持ったサイトを作って効果を上げることもできます。

大手ほど資本もないし、うちみたいな中小企業や町工場では無理だ、というようなものでは決してありません。費用をかければそれこそ青天井ともいえる世界ですが、身の丈にあった使い方、費用の足りない部分は知恵や努力でカバーできる世界で、そこが醍醐味でもあります。

Webサイトは持っていないが、取引先を探すのには使っているという方は、ぜひウェブサイトを作ってみることをお勧めします。営業の最も基本的な部分にある「集客」には打ってつけのツールとして使うことも出来ます。「Web担当者に任命されたけど何をしていいのかわからない」という方は、まずは活用の仕方を考えてみるのもいいでしょう。目的と活用方法を明確にできれば、やるべきことは見えてきます。

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